在宅介護サービス
在宅介護サービスの種類と選び方完全ガイド|費用・使い方・組み合わせ例
2026年4月29日
更新:2026年5月16日
読了時間:約9分
サービスを使い始めるまでの流れ
在宅介護サービスを使うには、要介護認定を受けてからケアマネジャーと一緒にケアプランを作るという順番が必要です。申請から利用開始まで、流れを把握しておきましょう。
1
要介護認定を申請する
市区町村の窓口または地域包括支援センターへ申請。申請代行はセンターに依頼できます。
2
認定調査・結果を待つ(1〜2か月)
認定員が自宅を訪問し、心身の状態を確認。要支援1〜2/要介護1〜5のいずれかに認定されます。
3
ケアマネジャーを選ぶ
地域包括支援センターに相談すると地域の居宅介護支援事業所を紹介してもらえます。ケアマネへの費用は自己負担ゼロです。
4
ケアプラン(介護サービス計画書)を作成する
ケアマネジャーが家族の状況・希望を聞いてサービスの種類・回数・事業者を組み合わせた計画を立てます。
5
各事業者と契約して利用開始
ケアプランに基づき、訪問介護・デイサービスなどの各事業者と個別に契約します。ケアマネが調整してくれます。
申請から認定結果が出るまでの間も、暫定ケアプランを使ってサービスを先行利用できる場合があります。急ぎの場合はケアマネジャーや地域包括支援センターに相談してください。
在宅サービス7種類の内容と費用
ホームヘルパーが自宅に来て、身体介助(入浴・排泄・食事)や生活援助(掃除・洗濯・買い物)を行います。在宅介護の中心となるサービスです。担当ヘルパーが固定されることが多く、生活に密着した支援が受けられます。
1回30分:約250〜400円(1割負担の目安)
施設に通って入浴・食事・レクリエーション・機能訓練を受けます。介護者のレスパイト(休息)にもなる重要なサービス。週1〜5回が一般的で、送迎付きが多いです。認知症対応型など特化型のデイもあります。
1回:約800〜1,500円(1割負担・送迎込み・食費別途)
看護師や理学療法士が自宅を訪問し、医療的ケア・リハビリを行います。胃ろう・吸引・褥瘡(床ずれ)処置など、病院と同水準のケアを在宅で受けられます。医師の指示書が必要で、医療保険・介護保険のどちらかで利用します。
1回30〜60分:約500〜1,000円(1割負担の目安)
老健や病院に通って、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士によるリハビリを受けます。デイサービスとの違いは「リハビリが目的」の点です。退院後の機能回復や、維持期リハビリに向いています。
1回:約900〜1,600円(1割負担・食費別途)
特養・老健などの施設に数日〜数週間泊まれるサービス。介護者の旅行・病気・冠婚葬祭時だけでなく、月2〜3泊を定期利用して介護者の疲弊を防ぐ「予防的使い方」が有効です。
1泊:約1,500〜3,000円(1割負担・食費別途)
車椅子・介護用ベッド・手すり・歩行器などのレンタル(1割負担)と、シャワーチェア・簡易トイレなど衛生用品の購入費補助(年10万円上限・1割自己負担)があります。住宅改修(手すり取付など)も別途補助対象です。
レンタル月:数百〜数千円(1割負担)/購入補助:年10万円上限
夜間の排泄介助・緊急時対応など、24時間体制で支援するサービス。「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」は1日複数回の短時間訪問が可能で、夜中に何度もトイレ介助が必要な方の在宅継続を支えます。
月額固定制:約5,000〜12,000円程度(1割負担・要介護度による)
訪問介護でできること・できないこと
「ヘルパーさんに何でも頼める」と思っている方も多いですが、介護保険の訪問介護にはできることとできないことが明確に定められています。事前に把握しておくと、ヘルパーさんとの関係もスムーズになります。
介護保険でできること(1割負担)
入浴介助・清拭・洗髪
食事介助・本人分の調理
排泄介助・おむつ交換
本人の部屋の掃除・洗濯
本人のための買い物代行
通院の付き添い(移動介助)
口腔ケア・体位変換
介護保険ではできないこと(全額自己負担)
同居家族の食事・掃除・洗濯
庭の草むしり・ペットの世話
大掃除・窓ふき・換気扇掃除
家族全員分の日用品の買い物
医療行為(注射・服薬管理・傷の処置)
話し相手・目的のない滞在
介護保険外の家事は「自費サービス」で対応できる
- 同じ訪問介護事業者に「保険外の家事代行」として別途契約できることがある
- 市区町村独自の「生活支援サービス」(低額・NPO運営など)を活用できる地域もある
- 介護保険外の在宅サポートサービスを組み合わせる方法もある
要介護度別のサービス組み合わせ例
ケアプランは家族の状況によって千差万別ですが、代表的な組み合わせパターンを紹介します。ケアマネジャーと相談するときの参考にしてください。
要支援1〜2 / 要介護1(軽度)
ADL(日常生活動作)はほぼ自立しているが、一部サポートが必要な段階。転倒予防・生活援助が中心になります。
デイサービス 週2回
訪問介護 週2回(生活援助)
福祉用具レンタル(歩行器)
要介護2〜3(中度)
入浴・排泄の一部介助が必要になってくる段階。在宅継続にはサービスの複数組み合わせが有効です。
デイサービス 週3回(入浴込み)
訪問介護 週3回(身体介助)
ショートステイ 月2泊
福祉用具レンタル(ベッド・車椅子)
要介護4〜5(重度)
常時介護が必要な状態。在宅継続には夜間対応・医療的ケアも組み合わせることが多くなります。
デイサービス 週4〜5回
訪問介護 週5〜7回(身体介助)
訪問看護 週1〜2回
定期巡回サービス(夜間対応)
ショートステイ 月4〜7泊
上記はあくまで目安です。同じ要介護度でも家族の状況・住環境・本人の希望によって最適な組み合わせは変わります。「こんな組み合わせをしたい」とケアマネジャーに伝えると、限度額内で調整してもらえます。
介護保険の限度額と費用のしくみ
介護保険には要介護度ごとに「区分支給限度額」(1か月に使える上限額)が定められています。限度額内であれば自己負担は1〜3割です。
| 要介護度 | 区分支給限度額(月) | 自己負担1割の上限目安 |
| 要支援1 | 50,320円 | 約5,032円 |
| 要支援2 | 105,310円 | 約10,531円 |
| 要介護1 | 167,650円 | 約16,765円 |
| 要介護2 | 197,050円 | 約19,705円 |
| 要介護3 | 270,480円 | 約27,048円 |
| 要介護4 | 309,380円 | 約30,938円 |
| 要介護5 | 362,170円 | 約36,217円 |
限度額を超えた分は全額自己負担になります。また、食費・居住費・日用品代などは限度額の対象外で別途自己負担です。収入が少ない場合は「負担限度額認定」の申請で食費・居住費を軽減できます。
介護保険外サービスとの組み合わせ方
介護保険のサービスだけでは対応できない場面は必ず出てきます。介護保険外サービスを上手に組み合わせることで、在宅介護の継続性が大きく変わります。
介護保険外で補える主なニーズ
- 家族全員分の家事:ヘルパーに頼めない同居家族の食事・洗濯は民間の家事代行サービスへ
- 話し相手・外出同行:傾聴ボランティア・NPOサービスを活用。外出・散歩の付き添いも対応
- 深夜・早朝の緊急対応:夜間対応型訪問介護でカバーしきれない部分に介護保険外サービスを組み合わせる
- 介護保険の限度額超え分:どうしても必要なサービスが限度額に収まらない場合は自費で追加契約
介護保険の限度額超え部分や、保険外ニーズをカバーする在宅ケアサービス
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利用者・家族の体験談
最初は私が毎日実家に通い詰めていて、仕事も体力も限界でした。ケアマネさんに「もう無理です」と打ち明けたら、デイサービスを週3回、ショートステイを月2泊に増やすケアプランを組んでくれました。1割負担だと月2万円くらいでしっかり組めると知って驚きました。今は母の調子もよく、私も仕事を続けられています。「サービスを増やすとお金がかかる」と思い込んでいた自分の考えを変えてよかったです。
※体験談は一般的なケースをもとにした構成例です。実際の体験談は順次掲載予定です。
妻が退院してきたとき、自宅でやっていけるか不安でした。ケアマネさんが訪問介護(週5回)・訪問看護(週2回)・デイサービス(週3回)を組み合わせてくれて、私が1人でする介護は朝夕の補助だけになりました。訪問看護師さんが吸引や胃ろうの管理をしてくれるので、「専門家が毎日来てくれる」という安心感が大きいです。こんなに手厚く支援してもらえるとは思っていませんでした。
※体験談は一般的なケースをもとにした構成例です。実際の体験談は順次掲載予定です。
父は仙台で一人暮らし、私は大阪なのでなかなか帰れません。デイサービスと訪問介護を週3回ずつ入れてもらいましたが、「家族全員分の食事」は介護保険では頼めないと知りました。自費の家事代行を週1回追加したら、父の食事の心配が大幅に減りました。介護保険の限度額内にうまく収めながら、足りない部分を自費でカバーする——そのバランスをケアマネさんが一緒に考えてくれたのが本当に助かりました。
※体験談は一般的なケースをもとにした構成例です。実際の体験談は順次掲載予定です。
よくある質問
Q. 要介護1でも訪問介護・デイサービスは使えますか?
はい、使えます。要支援1・2でも「介護予防訪問介護」「介護予防通所介護」として利用できます。ただし要支援の場合は地域包括支援センターが窓口になるなど、手続きが若干異なります。まずはケアマネジャーまたは地域包括支援センターに相談してください。
Q. 訪問介護でできないことは何ですか?
同居家族分の食事・掃除・洗濯、庭の草むしり・ペットの世話、大掃除・換気扇掃除などの日常的でない家事、本人以外の買い物、医療行為(インスリン注射・傷の処置など)はできません。これらは全額自己負担の自費サービスで対応します。同じ事業者に「保険外サービス」として別途依頼できる場合もあります。
Q. 介護保険の限度額を超えた場合はどうなりますか?
限度額を超えた分は全額自己負担になります。限度額内に収めるようにケアマネジャーがケアプランを調整してくれます。どうしても必要なサービスが限度額に収まらない場合は、介護保険外の自費サービス(家事代行・民間の訪問介護など)を組み合わせて対応します。
Q. サービスの事業者はどう選べばいいですか?
ケアマネジャーに地域の複数の事業者を紹介してもらい、見学・面談で選ぶのが基本です。訪問介護は「担当ヘルパーとの相性・コミュニケーション」、デイサービスは「見学時のスタッフの雰囲気・レクリエーション内容・入浴設備」が重要です。契約後も合わなければ変更できます。
まとめ:在宅介護サービスのポイント
- サービス利用は「要介護認定→ケアマネ選び→ケアプラン作成」の順。ケアマネ費用は自己負担ゼロ
- 訪問介護・デイ・訪問看護・ショートステイなど7種類を状況に合わせて組み合わせる
- ヘルパーは「本人のこと・本人の分」のみ対応。家族の家事は自費サービスへ
- 区分支給限度額(月の上限)があり、1割負担なら要介護3で月2.7万円程度まで使える
- ショートステイは「緊急時だけ」でなく定期的に使って介護者の燃え尽きを防ぐ
- 限度額超え・保険外ニーズは自費サービスとの組み合わせで補う